神の創造した無限の碁盤~21路盤への挑戦

Amebaブログに投稿

はじめに

囲碁の碁盤がなぜ19路盤なのか?
に考えているうちに、実は囲碁の碁盤は無限に広がっていて、19路盤はほんの一部に過ぎないと思うようになりました。

そして将来、世界中の囲碁愛好家は21路盤に挑戦するだろう。いや、しなければならない!と思うようになりました。

⭐2006年初版
⭐2022年1月改訂1
⭐2023年1月改訂2
⭐2023年11月改訂3

1.未知なる世界を求めて

有史以来人類は未知なる世界。
つまりニューフロンティアに関心を持ち、常に探求の目を向けて、解き明かそうと挑戦し続けてきました。

東方見聞録で有名なマルコポーロ、コロンブスの新大陸発見、暗黒大陸の父リビングストン、アムンゼンの南極点到達、高空と深海に挑んだピカール、大西洋無着陸飛行に成功リンドバーグ、エベレスト初登頂ヒラリーとテムジン…

人類初の宇宙飛行士ガガーリン、アポロ11号の月面着陸、ボイジャーミッションによる惑星探査、ハッブル宇宙望遠鏡、近年では冥王星探査衛星ニューホライズンズの打ち上げ、ニュートリノや重力波の検出、また近い将来には、火星への有人飛行が計画されています。

地球上から始まり、20世紀になってからは本格的に宇宙にも、人類は探求の目を向けるようになりました。

ここで碁盤を宇宙空間に見立て、私は目を閉じて想像を膨らませてみました。

碁盤の隅を地球上、辺を地球からそう遠くない宇宙 (太陽系)、中央を地球から遠く離れた宇宙 (銀河系及び全宇宙)とします。

囲碁というゲームに熱中するようになった人類は、最初は隅 (地球上)の打ち方しか分かりませんでした。だから碁盤は9路盤で隅の打ち方を学びました。

その隅 (地球上)の打ち方を少しつづ理解できるようになった人類は、9路盤だけでは飽き足らず、11路盤から13路盤へと碁盤を広げていく。隅に加えて辺 (太陽系)に探求の目を向けるようになります。

15路盤から17路盤と、さらに未知なる世界に挑戦し続けていく。

そして現在19路盤では、隅と辺に加えて中央 (銀河系及び全宇宙)の打ち方も学び始めた というイメージでしょうか。

ここまで想像した時、私の頭の中に一つの小さな丸いものが出てきました。

多分地球かな?と思った瞬間、
それは内側から膨張し始めて、そこに無限に広がる宇宙が登場しました。

私は確信した!

近い将来プロ棋士を含め世界中の囲碁愛好家は21路盤に挑戦するだろうと…


… と書いてるうちに何だか気分が良くなり、妙にハイテンションになってしまいました。

大袈裟すぎたかもしれませんが、囲碁の碁盤をそんな風に考えるのも、なかなか面白いのではないでしょうか?

2.未知なる世界を求めて2

ここでもう一度M路盤での各部位の地確率のグラフを御覧下さい。

 (M:8~100)

 (M:8~30)

M路盤での各部位の地確率の割合を、
その碁盤における各部位の重要性、もしくは関心の高さとします。

9路盤では隅に対してのみ関心を持っていればよかったのが、碁盤が広くなるにつれ隅に対する関心は低くなり、辺と中央に対する関心が高くなっていきます。

辺に対する関心は19路盤で最大となります。それより碁盤が大きくなると、少しつづ関心が薄れてきます。

上下左右の方向のうち、2方向にしっかりとした足場のある隅。1方向だけではあるが、地に足をつける場所がある辺。どの方向にもホッとできる場所のない中央。

先ほど碁盤を宇宙と見立て、隅を地球上、辺をそう遠くない宇宙である太陽系、中央を銀河系もしくは全宇宙としました。

人類のニューフロンティアへの関心は、時代を経るにつれ、行動できる範囲が広くなると共に、図のように変わってきたような感じもします。図の横軸を時間軸 (単位は世紀)と考えても面白い。

地球を探検する場合を考えます。
例えば未開のジャングルを探検したとします。恐ろしい肉食獣、伝染病、遭難、食料不足など様々な困難が待ち受けています。

でもたとえ絶望的な状況に陥ろうとも、
地球にいるのだから、空気も水もある。お腹が減っても、そこら辺にあるものを適当に食べてりゃ何とかなるさ!という希望を持つことができます。

宇宙探検はもっと大変です。
月面探査や火星有人飛行… 地球からほんの僅かの宇宙に行くにしても、地球上の探検とは比べ物にもなりません

空気もなければ水も食料もない。
計画通りに行動するので精一杯。不測の事態、例えば宇宙船が故障して動かないなんてことになると、もうどうにもならない。

待っているのは、ほぼ100%死である。

でも宇宙は宇宙でも、太陽系での探検は不測の事態でも希望が全くないこともない。なぜなら地球が近くにあるからです。

故障したアポロ13号の奇跡の生還は、
宇宙飛行士や地上のアポロ計画に関わる全ての人たちの頑張りによって、成し遂げられたのですが、その絶望的な状況で希望が持てたのは、地球が近くにあったから。

今年は冥王星探査衛星の打ち上げに成功。
冥王星は太陽系の一番外側にある惑星。その冥王星の探査が終われば、一応太陽系の探査は一段落となります。

それと19路盤で辺の地確率が最大値になるのと、なにか関係があるのでしょうか?

*冥王星は2006年準惑星になりました。そして2015年探査機ニューホライズンズは冥王星に到達しました。

*私は宇宙の話題が大好きでNHKの宇宙を扱った番組をよく観ます。2022年1月11日記

将来人類は太陽系外に広がる大宇宙を探検することになるんでしょうか?

天文学では紀元前より、夜空に輝く星々に関心を持ち、現在では高性能の望遠鏡で観測し、宇宙のことが研究されて、次第に詳しいことが分かってきているようです。テレビで宇宙地図の作成しているなんてのも観ました。

科学技術の発達で、銀河系を飛びまわれる宇宙飛行船もできるんでしょうか?太陽系外惑星ヘの移住も実現するのか?

SF小説『銀河英雄伝説』のように、
銀河帝国皇帝ラインハルト・フォン・ローエングラムと自由惑星同盟の英雄ヤン・ウェンリーとの銀河系を舞台にした壮大な戦い、なんてことがあるのでしょうか?

小説によると、今から1500年以上経った後なのだそうです。

できるなら 行ってみたいな イゼルローン要塞(字あまり)


………と、宇宙大好き!の余り、何を書いているのか分からなくなってしまいました。

つまり囲碁というゲームは、隅よりも辺よりも中央の打ち方が難しいと言われています。何となく通じるものがある気がするのです。

3.宇宙流 武宮正樹九段

碁盤の中央を意識した打ち方をする棋士と言えば、囲碁ファンは宇宙流武宮正樹九段を真っ先に思い浮かべるでしょう。

武宮九段は本因坊通算6期など、
タイトル獲得数10期の大棋士です。でも同門の木谷実九段門下の趙治勲十段、小林光一九段、加藤正夫名誉王座に比べて、タイトル獲得数は大きく差をつけられています。

しかしその圧倒的な存在感は、勝るとも劣らない。世界中の囲碁ファンを魅了しています。もちろん私もその一人です。

宇宙流の打ちまわしとは、
答えの比較的分かりやすく地になりやすい隅、辺の一等地を相手に多く与えます。

その代わりに石を中央に、高く高く持っていき、大模様を作って地にするか、入ってきた石を取る豪快な棋風です。

競馬で例えれば、
最終の第四コーナーで最後尾から、力を溜めて一気に抜き去るというイメージでしょうか。

しかし相手に先に地を与えるため、
一手でも間違えたら取り返しがつかなくなる。プロのレベルだと理屈に合わない手を打つとすぐに負けてしまいます。

宇宙流の打ちまわしは、当然理屈に合っているから勝てるのだと思います。

しかし隅、辺重視の地に辛い打ちまわしと比べて難しくて分かりにくい。神経に負担のかかる中央重視の打ち方をすると、一局に費やすエネルギーが多いのかもしれません。

そんな理由が勝率や実績の差になっているのかも… なんて思いました。もちろんただの囲碁ファンの戯言です。

序盤戦で相手に確定地を多く与え、替わりに大模様を築く。盤面は正に豪快で痛快。でも確定地は大差となる。

これで勝てるのか?と思っていたら、
中盤戦以降相手の石を攻める攻める。地がどんどん増える。或いはなんだかんだで大模様がそのまま地になってしまった。素人目には大逆転に見える。痛快です。

でも宇宙流の打ちまわしの真髄とは、

目に見える19路盤で碁を打ちつつも、
その先にあろう目には見えない21路盤、そして無限に広がる碁盤を意識した打ちまわしなのではないだろうか。

19路盤より碁盤が広くなると、中央の重要性が大きくなるからです。

ここで一度言っておきます。
囲碁の碁盤を題材にこんな話にするとおもしろいかもという程度のものです。

宇宙流の打ちまわしを観ている囲碁愛好家は、
無意識下に無限に広がる碁盤をイメージしているのではないか…

4.無限に広がる碁盤

碁の神様がいたとする。その神は地球上唯一の知的生命体である人類に、囲碁というおもしろいゲームを与えた。

そのゲームの舞台となる碁盤は、無限に広がる縦横の格子状をしている。

その交点に白と黒、陰と陽、光と影を表す碁石を交互に置く。広く碁盤を囲った方が勝つという単純明快なルールがある。

神の与えた碁盤は広すぎて、残念ながら今は19路盤までしかよく分かっていない。

でも人類の、あくなき探究心が、
その先にある21路盤、そして無限に広がる碁盤を解き明かそうとしている。

たとえその打ちまわしが危険をともない、勝率が下がろうとも、挑戦し続けている。

その勇気に、世界中の囲碁ファンは魅了され、その姿を見ている碁の神様は、にっこりほほ笑んでいるのではないでしょうか。


日本経済新聞社発行の囲碁大全という雑誌に、当時名人だった武宮正樹九段の『囲碁の無限性から学んだ宇宙流』というコラムを読む機会がありました。

その中に『碁は神様が人類のために人間の心を豊かにするために作られたゲームだから…』
と書かれていました。

それと私の地確率という考えからでてきた『囲碁の碁盤はなぜ19路盤なのかの理屈』とを組合せてこういう文章を書いてみました。

いかがだったでしょうか?おもしろかった?
ではまた来週~!フンガックク!



…と『サザエさん』で終わるわけにもいかないのでまとめを書いておきましょう。

まとめ

私の考案した地確率と、色々なことを考え思い想像を膨らませて、囲碁というゲームをこう結論づけました。

囲碁とは、
『人類が未知なる世界を探求する様を見て喜んでいる神の創造した究極のゲームである』

……ほとんど武宮九段のパクリですけど




おまけのコーナー

古代中国で100という数字は、世界全体を表すのだそうです。100路盤での各部位の地確率はそれぞれ、

J辺=18.60…%J中=80.19…%J隅=1.21…%

この値がなんとなく、地球上の大気の成分比率に酷似していることに気づきました。

酸素約21%、窒素約78%、その他約1%

やっぱり囲碁ってすごい!

お後がよろしいようで

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